ビジネス界出身ながら世界水準のリーグを目指して3期6年目の村井満チェアマン(59)が、日刊スポーツで執筆中のコラム「無手勝流(むてかつりゅう)」。今回は「スポーツの楽しみ方」にスポットを当てます。スポーツの語源にまでさかのぼって考察。スポーツ文化を成熟させるために我々が必要なものとは-。チェアマン自らが実践する方法論を披露します。
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南米選手権(コパ・アメリカ)での日本代表は、1次リーグでその日程を終えました。東京五輪を視野に入れた若手選手がどこまで世界に通じるか、見どころの多い大会でした。日本代表の3試合とも、開始は現地時間の午後8時。真裏の日本では午前8時のキックオフとなりました。朝の通勤電車に揺られながらDAZN(ダゾーン)で視聴された方も多かったのではないでしょうか。チリ戦は、DAZNのサッカーコンテンツで過去最高のライブ視聴数を記録したようです。
元来、スポーツの語源は「DEPORT」。「港を離れる」から派生して「日常から離れ、余暇を楽しむ」という意味になるようです。筋書きのないドラマが展開されるスポーツにおいて、ライブ視聴は何よりの醍醐味(だいごみ)です。
そのため「どこでも」視聴できるインターネット配信はとても便利。私も南米選手権は通勤中に視聴していたのですが午前9時から会議があったので、残りは会議後に見逃し配信で視聴しました。「いつでも」視聴できる便利さもあるのです。こうした場所や時間の制約から解放してくれる要因は「さまざまな機器で」視聴できる点にあります。スマホやパソコン、テレビでの視聴が可能なのです。
さまざまなスポーツをひとつのプラットフォームで楽しめるのも魅力です。海外サッカーはもちろん、私は大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手の試合を結構見ています。DAZNで複数のスポーツを視聴する人は増えているそうで、最近はW杯を控えたラグビーや、イメージトレーニング用に、なかなか上達しないゴルフの世界大会をチェックしています。
スポーツが「余暇を楽しむ」ことだとすると、狩りや釣りもスポーツそのものでしょう。DAZNでは「フィッシング」「ダーツ」「ビリヤード」なども定期的に配信しています。「自転車競技」や「モータースポーツ」などの世界大会を見ていると、日本とは違ったスポーツ文化の広がりが体感できます。
あらゆるスポーツ配信を世界中で展開しているDAZNグループから、学ぶことは数多くあります。フライデーナイトJリーグも「少し早めに仕事を切り上げてスポーツで週末を楽しもう」との思いから、DAZNと始めたものでした。記念グッズを配ったりハーフタイムショーを開催したり、楽しい週末を演出しています。「楽しむ」ことに貪欲なDAZNチームとの会議は、一風変わったものになります。先日の日本でのミーティングではお互いがチームを作り、ガチンコのフットサル対決を行いました。その後のビールがなんとおいしかったことか。豊かなスポーツ文化を振興していくには、まず我々がスポーツを楽しむことから始めなければと思います。
◆村井満(むらい・みつる)1959年(昭34)8月2日、埼玉・川越市生まれ。浦和高サッカー部ではGK。早大法学部卒業後、83年にリクルートセンター(現リクルートホールディングス)入社。00年に同社人事担当執行役員に就任。その後、リクルートグループ各社の社長を歴任した。08年7月にJリーグ理事就任。14年1月に第5代チェアマンに就任し、現在は3期6年目。家族は夫人と1男1女。



