北海道コンサドーレ札幌がホンダFC(静岡)に2-4で敗れ、JFLチームを相手に初戦負けを喫した。

前半に2点を先行され、ルーキーDF中村桐耶(18)とMF藤村怜(20)の若手2人のプロ初ゴールで同点にしたが、その後の2連続失点で力尽きた。それでも戦線を離脱していたMF宮沢裕樹主将(30)MF駒井善成(27)が復帰戦でフル出場。天皇杯では2年ぶり9度目の初戦敗退となったが、リーグ戦、ルヴァン杯のタイトル獲りへ突き進む。

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札幌が格下相手に敗れた。前半から主導権を握られ、2点を追う展開になった。1-2で折り返し、後半は一時追いついたが、再び2連続失点で力尽きた。初戦敗退にミハイロ・ペトロビッチ監督(61)は「相手が我々を上回る走り、キレのある動きをしていた」と、素直に敗北を認めた。

チームとしては悔しい敗戦となったが、駒井と宮沢の復帰は明るい希望となった。指揮官も「今日唯一ポジティブなのは、2人がケガから戻って復帰戦を戦ったこと。今後の戦いにプラスになる」と、2人のカムバックを喜んだ。

1月のタイキャンプ中に右膝半月板を損傷して長期離脱していた駒井は、今季初めて公式戦のピッチに立った。「最初は怖かった」と恐怖心に打ち勝ち、シャドーで先発して、後半からはボランチに入って90分間プレー。試合を終えるとリハビリして過ごした5カ月間を「サッカー人生において大切な時間だった」と感慨深げに振り返った。

主将の宮沢も右膝の軟骨を損傷した5月25日ガンバ大阪戦以来の実戦だった。主将マークを腕に巻き、試合を統制する姿は、チームに安心感を与えた。7日ホーム松本山雅FC戦から始まるリーグ後半戦に向け、実のある復帰戦となった。

優勝すれば、チームが今季掲げるクラブ初のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の出場権が獲得できる大会だけに、重要視して臨んだが初戦で姿を消すこととなった。天皇杯の優勝カップは逃したが、チームは現在6位につけるリーグ戦、8強入りしているルヴァン杯の2大会に力を注ぐことになる。「試合に出ていた選手はこの結果を受け止めないといけない。リーグ戦に向けてチームでもう1度気を引き締めていきたい」と宮沢。戦力がそろいつつある札幌は、敗戦の悔しさを刻みながら、これから怖さを増していく。【保坂果那】