元サッカー女子日本代表で、主将として臨んだ11年W杯ドイツ大会優勝などを経験したレジェンド、澤穂希さん(40)が東京オリンピック(五輪)開幕1年前となった24日、地元開催の五輪への思いを語った。

この日は都内各地で記念イベントが行われ、澤さんも午前中から大忙しの1日となった。まず足を運んだのは午前10時から練馬総合運動場公園で行われた親子サッカー体験教室。

かつて所属した日テレ・ベレーザのDF岩清水梓(32)、有吉佐織(31)、清水梨紗(23)、MF長谷川唯(22)の4人と共にゲストとして出席し、抽選で選ばれた小学生連れの親子100組とふれあった。

開幕まであと1年となった東京五輪について「選手がひとつでも高い目標を持って金メダルをとれるように、サッカーだけではなく、私自身に何かできることがあれば積極的にやっていきたい」と話した。また17年1月に出産した長女との五輪観戦にも意欲をみせ「その時は子どもも3歳半になるので、チャンスがあれば試合を見せて、何か感じてもらえればと思っています」と母親の顔ものぞかせた。

15年末の引退以来「3年半ぐらいボールを蹴っていなかった」と明かしたが、最後のミニゲームではブランクを感じさせない鋭い寄せとコーチングで小学生を相手に奮闘。暑い日差しの照りつける中、約1時間汗を流し「自分も小さい頃にプロの選手とサッカーをすることが夢を持つきっかけになりました。参加した子どもたちも、今日をきっかけにW杯に出たいとか、そういう思いを持って頑張ってくれたらうれしい」と振り返った。

同教室を終えると、そのまま午後2時から東京国際フォーラムで行われた東京オリンピック(五輪)1年前セレモニーへと移動。五輪のメダルデザイン発表にゲストアスリートとして出席した。渦を巻くような曲線的なデザインとなったメダルを目にすると「デザインもそうなのですが、輝きもすごい」と絶賛。続けて「本当にまたもう1度このメダルを目指して現役をやりたいなと思うぐらい…」とまさかの現役復帰? 発言も飛び出した。これを聞いた司会の元競泳選手の宮下純一氏らからは「おおっ」と歓声が上がったが「(復帰は)ないですけど」と冷静に返し、「そういう思いにさせるぐらいほしいなと思いました」と輝くメダルを見つめた。

澤さんは銀メダルを獲得した12年ロンドン大会など4度の五輪を経験した。個人競技とは違う団体競技で獲得するメダルの重みについては「決して1人の力でとれるものではないですし、チームメートだったり、今まで携わってくれた全ての方々のおかげでとれたものなので、すごく意味のあるメダルになったと思います」と語っていた。