鹿島アントラーズの大岩剛監督(47)が今季限りで退任することが11日、クラブから発表された。後任は未定。今季はリーグ3位に終わり、3年連続でリーグ優勝を逃していた。チームは現在天皇杯を準決勝まで勝ち上がっており、大岩監督は大会終了まで指揮を執る予定。OBで功労者でもある指揮官に最後のタイトルを手向けるべく、一丸となり優勝を目指す。

同氏は17年5月、コーチからの昇格という形で監督に就任。同年は優勝争いを繰り広げながらも、「勝てば優勝」の最終節でスコアレスドローに終わり、リーグ優勝を目前で逃していた。翌18年はクラブ初のACL制覇を成し遂げ、記念すべき20冠目をもたらしたが、「4冠」を掲げた今季は過密日程でけが人が続出し、天皇杯以外の3タイトルを逃していた。

次戦は21日の天皇杯準決勝V・ファーレン長崎戦(カシマ)。チームはリーグ最終節を終えて3日間のオフを挟み、11日から練習を再開した。大岩監督は最終節後、「準決勝の重要性を認識しながら準備したい」と話していた。リーグ戦では終盤に失速し、ふがいない内容も多かった鹿島だが、“監督解任”が優勝への起爆剤となることを願うしかない。

 

大岩監督コメント

「2017年途中から監督として初めて指揮を執ることになり、ここまでともに戦ってくれた選手、スタッフ、フロント、そしていつも私たちを支えてくれるファン、サポーター、スポンサーの方々には、感謝の気持ちしかありません。鹿島アントラーズは、タイトルを義務付けられたクラブです。その中で今年、Jリーグ、ルヴァンカップ、連覇を目指したACLを獲れなかったことは自分の力不足であり、本当に申し訳なく感じています。今シーズンはあと2試合、天皇杯のタイトルが残っています。アントラーズファミリー全員で、喜びを共有できるチャンスがあります。私の最後の仕事は、選手たちとともにその頂点に立ち、皆さんに最高の歓喜を与えること、それだけです。すべては勝利のために、一丸となって戦えるよう、最後まで後押しをしてもらえればうれしいです」