静岡学園が、24大会ぶり2度目の頂点に王手をかけた。矢板中央(栃木)に1-0で勝利。鹿島内定のU-18日本代表MF松村優太(3年)が、試合終了間際にPKを決めて決勝ゴールを挙げた。シュート数は24対2。最後まで攻めの姿勢を貫き、土壇場で相手の堅守をこじ開けた。

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初の決勝を目指した矢板中央はラストプレーで力尽きた。後半ロスタイム、MF靏見がPKを献上。この日浴びた24本目のシュートでついにゴールを割られた。そのまま試合終了の笛。1年生GK藤井は「先輩をここで終わらせたくなかったけど、緊張で頭が真っ白で、逆をつかれてしまった」と悔やんだ。

信条の堅守を貫いた。「1人が抜かれても、2人目、3人目がしっかりいこうと話していた」と靏見。個々の技術では劣勢。味方をカバーし合い、数的優位を作って守った。後半12分には10人がペナルティーエリアに戻り、シュートコースを消した。高橋監督は「押される場面がほとんどだったが、選手は最後まで体を張ってくれた」。準々決勝まで3試合で13得点の相手に、最後まで壁になった。

前回大会はベスト8で優勝した青森山田に敗戦。勝てば決勝でリベンジの舞台が整うところだったが、あと1歩及ばなかった。2年生のDF坂本は「最後(決勝)までいきたかった。悔しさと反省を生かして、また戻ってきたい」。流した悔し涙が、矢板中央をまたひとつ強くする。【岡崎悠利】