1995年度大会優勝メンバーの桜井孝司さん(42)も、後輩たちの快挙をたたえた。自身が果たせなかった単独優勝をスタンドから観戦。24年前の決勝をケガで欠場した「非運のエース」が、当時の思いや後輩たちへの感謝の気持ちを語った。

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悔し涙だった両校優勝から24年-。悲願の単独Vを見届けた桜井さんは笑顔だった。

-単独優勝です

桜井さん 両校と単独では重みが違う。後半は見ていて本当に面白いサッカーでした。最後まで静学らしさを貫いての優勝。おめでとうと言いたいです。

-後輩たちが偉業を達成した

桜井さん 見ている人が楽しいと思えるようなサッカーを全国に知らしめてくれた。OBとしても誇りだし、素晴らしい結果だと思います。

-24年前の思い出もよみがえってくるのでは

桜井さん もう時効だと思いますが、僕らの全国は『試合ができないかもしれない』というところから始まったんです。初戦の日に提出する選手証を誰も持っていなくて。大会側は出れませんと。その時に井田監督が『荷物まとめて帰るぞ』と言ってきて。結局次の試合で提出することを条件に試合はできたのですが、そこからのスタートでしたから。

-決勝はPK戦を行わず、両校優勝だった

桜井さん PK戦がないことは分かっていました。ルールでしたが、何で決着をつけさせてくれないのかと。優勝したのに悔しいし、納得ができなかった。確かに両校優勝はしました。ただ、日本一ではないんです。ずっとその思いは持ち続けていました。

-桜井さん自身も準決勝で負傷し、決勝のピッチに立てなかった

桜井さん ケガは右ひざ後十字靱帯(じんたい)断裂でした。痛み止めの座薬まで入れたけど、走れる状態ではなかった。それも悔しかったですね。

-伝統は今も受け継がれている

桜井さん 静学は唯一無二の存在であってほしい。50年先も静学は静学。ずっとスタイルを変えずに、これからも勝っていく姿を見たいです。【取材構成・神谷亮磨】