J2新潟にJ1・C大阪から育成型期限付き移籍で加入した中島元彦(21)が、22日の練習合流初日からキレのある動きを披露、得意のミドルシュートをアピールした。FW、MFなど複数のポジションをこなす万能プレーヤーは「新潟のJ1昇格に貢献するためにここにきた」と意気込み、25日ホーム水戸戦での新潟デビューと、勝利への貢献を誓った。

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「みんなとても優しくて安心しました。良い選手が多いので、負けてられない」。中島は練習初日を笑顔で振り返った。ボールを利用したフィジカルトレーニングでは、リズミカルで足元に吸い付くようなドリブルを披露。ミニゲームでも積極的にボールを要求しボールをさばいたかと思うと、空いたスペースに動いてシュートを放った。

中島は自らに「2桁得点」という高い目標を設定する。昨季はJ3のC大阪U-23でプレー。豪快なミドルシュートを武器に34試合出場で9得点を挙げた。本職はFWながら、CB以外の複数ポジションをこなす器用さを併せ持つ。「どのポジションでも良いプレーができる選手が一流。海外で21歳はもう若手ではない。自分の長所をもっと成長させたい」と意気込む。

中島はC大阪の先輩で元日本代表の柿谷曜一朗(30)が、J2徳島への武者修行時代(09~11年にレンタル移籍)につけた背番号「13」を新潟で背負うことを決めた。「曜一朗君はこの番号を付けて活躍した。自分も同じ道をたどりたい。新潟の勝利に必要な選手になりたい」。今季の開幕前から中島の獲得を熱望していた玉乃淳GM(36)は、「勝ち点をもたらすことができる選手」と期待する。

スペイン1部・FCバルセロナで育成部門を長年率いてきた経験を持つアルベルト監督(52)は中島に対し、「攻守で重要な選手。彼のことをもっと詳しく知りたい。長所を最大限に引き出したいし、私はその育て方を知っている」と笑顔を見せる。

中島は「声をかけてくれた新潟に感謝しているし、結果で恩返ししたい。練習から全力で取り組む」。次節水戸戦での新潟デビューへ向け、アピールを開始した。【小林忠】

◆中島元彦(なかじま・もとひこ)1999年(平11)4月18日生まれ、大阪府出身。U-16、17、18、19日本代表。C大阪の下部組織で育ち、18年からトップチームに昇格。新潟への育成型期限付き移籍は21年1月31日まで。J1出場はなし。J3通算78試合出場19得点。170センチ、66キロ。