湘南ベルマーレが「エネルギー充電」を完了させ、連敗と最下位からの脱出を狙う。

5日のヴィッセル神戸とのホーム戦(BMWスタジアム)に備え、3日に平塚市内で非公開練習。8月29日のサガン鳥栖戦が中止となり、同23日のFC東京戦後から12日間の試合間隔ができた。神戸戦はチームとって「再開初戦」となる。他クラブが過密日程の中、3連休も得る“アドバンテージ”があった。

選手会長のDF大野和成(31)は「2週間ほど空いてしっかり練習できている。久しぶりの休みもあり、連戦に向かっていきたい」と充実した表情を浮かべた。現在、湘南はリーグ6連敗中で最下位と苦しんでいる。MF松田天馬(25)は「12日間空いて、チームとして整理できたところがある。自分としては周囲との連係で近いポジションの選手と話してコンビネーションを合わせられていると思うし精度は上がっている」と手応えを口にした。

クラブは8月30日から新型コロナウイルス対策のためのチーム強化費やクラブ運営費補填を目的としたクラウドファンディングを開始。目標金額は5000万円とし、開始から5日目で2953万円と6割に到達する勢いだ。浮嶋敏監督(52)は「この短期間でこれだけの金額が集まることはないことでもある。(成績の)結果でいうと不本意でサポーターにすごく応援してもらって、心配してもらっている状態。エールに応える意味でも、我々とっての『中断明け』で目指しているサッカーをしっかりやりたい」と強い決意をにじませた。

MFイニエスタらタレントがそろうヴィッセル神戸とのホーム戦に向け、松田は「個々の選手がJリーグでもトップ級。やっぱり球際の強さとかで負けてはいけない」と気を引き締める。浮嶋監督は「サッカー的にも、クラブ規模的にも対比しやすい両チーム。必ずしも小さい方が大きい方に負けるわけではないというサッカーをみせたい」と気合を入れ直していた。【藤中栄二】