北海道コンサドーレ札幌はチケット販売で新たな取り組みを始めた。18日鹿島アントラーズ戦、24日横浜FC戦(ともに札幌ドーム)で、人工知能(AI)を取り入れた「ダイナミックプライシング(価格変動制)」を試験導入した。

需要に応じてチケット価格が変動し、ニーズに合った“適正価格”で販売する仕組み。すでに横浜、名古屋など数クラブで導入され、札幌は収容上限人数が50%(札幌ドームは1万6000人)になる同2試合での試験に踏み切った。マーケティングプロモーション事業部の阿部洋介さん(35)は「収益の最大化とチケットの適正価格の検証が狙い」と話す。

本来は集客を多くするためのシステム。ただ、今季はコロナの影響などで札幌の観客動員は多くはない。そんな過去実績も反映され、現在AIが設定する価格は、通常前売り4700円の席が16日時点で6950円に高騰。AIが値下げしても入場を見込めないと判断した場合、価格を上げることもある。阿部さんは「こんなに高い価格は想定外で、サポーターに対してのジレンマがある」。観戦数が多いサポーターには、価格変動がないシーズンシートがお得な場合も出てくる。クラブでは終了後にサポーターへのアンケートを実施する予定だ。【保坂果那】