鹿島アントラーズの小泉文明社長と鹿嶋市の錦織孝一市長が20日、カシマスタジアムで今夏に実施したふるさと納税型クラウドファンディングプロジェクトの目録贈呈式に出席した。クラウドファンディングは、コロナ禍において「いまできることをみんなで」をテーマに6月16日から45日間にわたり実施。2599人が寄付に参加し、目標の1億円を上回る1億3000万円の寄付が集まった。ふるさと納税型のため鹿嶋市を経由しクラブに渡され、集まった寄付金は今後、クラブ経営に利用される。

最も人気が高かったのは、スタジアムに名前が掲載されるリターンがある「5万円コース」。3次申し込みまで合計1478件の申し込みがあった。高額では、VIPヘリコプター観戦などのリターンがある「1000万円コース」が1件、OBとの特別交流ができる「300万円コース」が1件、経営陣との交流ができる「100万円コース」で3件の寄付があった。

今季は新型コロナウイルスの影響で観客動員に制限があり、小泉社長は、10億円前後の減収を見込んでいることを明かしている。その中での目標を超える寄付に「(寄付金が)2ケタ、3ケタを超えるコースは難しいと正直思っていました」と本音を明かし「これだけ多くの方が申し込んでいただいた。アントラーズが皆さまの生活や豊かさを提供していたからこそ、アントラーズの危機的な状況に対してご支援をいただいたのかなと思っております」と感謝した。

リターンでこだわったのはグッズなどの「物」ではなく「事」。小泉社長は「鹿島に来てもらって“事”を通じて絆を感じてもらうことだった」と明かす。特に、カシマスタジアムはJリーグ発足の際、「オリジナル10」に滑り込む決定打となった屋根付きサッカー専用スタジアムで、鹿島サポーターや地元から愛される“聖地”。それだけに、名前の掲載は人気となったようだ。