優勝、昇格を決めているブラウブリッツ秋田は、アウェー無敗を継続した。3位SC相模原と1-1のドローで、敵地戦績は11勝5分け。

前半37分、今季限りで退団する主力のDF鎌田翔雅(31)が、ヘディングで先制ゴールも、同42分に追いつかれた。今季は堅守を武器に独走し、33試合で失点「15」。20日の最終節鹿児島ユナイテッドFC戦では、15年にFC町田ゼルビアがマークしたJ3最少失点「18」更新とアウェー1季不敗の記録に挑む。

鎌田にとって1試合早い惜別弾になった。秋田はゴールに近い位置でスローインを得ると、DF鈴木がタオルで入念にボールを拭き、ゴール前にロングスローを入れるそぶり。最初は直線的な動きだったが、突如、方向転換し最終ラインのDF加賀へ。鈴木は加賀からリターンパスをもらい、相手の陣形がずれた隙に右クロス。最後は鎌田がジャンプしながら豪快に仕留めた。それ以前はロングスローを多用し、トリックプレーを完成させた。

アウェーで勝ち点1を獲得し、吉田謙監督(50)は「選手、チームは確実に1歩1歩成長していると思います」。上位対決で「両チームとも気持ちと気持ちが、魂がぶつかるシーンがあり、こういう試合は選手が成長する。お互いフェアでタフで非常にいいゲーム」。今季は優勝、昇格に加え、Jリーグ最長の30戦不敗(昨季含む)を打ち立てた。残りはリーグ1試合と天皇杯。躍進の1年をきっちり締める。【山田愛斗】