創部50年を迎えたJFLのホンダFCが5日、浜松市内でスタート式を行った。コーチから昇格した安部裕之新監督(41=京都府出身)と新加入5人を含む、選手計25人が参加。昨季まで在籍していた一部のプロ契約選手を廃止し、今季は全選手が社員の「完全アマチュア化」で臨む。

指揮官が誰よりも熱かった。3月14日のソニー仙台との開幕戦はホーム(都田サッカー場)で行う。入場制限などのルールは未定だが、安部監督は式に出席した一部の社員に来場を呼びかけた。「開幕戦だけは満員にしてほしい。そこで面白くなかったら、その先は来なくてもいい。それぐらいの覚悟でやりたい」。

思いは誰よりも強い。安部監督はクラブのOB。三重・四日市中央工高3年時にセレクションを受けるも、不合格だった。それでも、国士舘大を経てホンダFCに入団。選手として11年間プレーした。「このクラブに育ててもらった恩義がある。そのエネルギーをベースに自分の使命を全うしたい」。クラブ愛を持ってチームを束ねる決意だ。

1日に始動。同監督は「前向きに取り組んでくれている」と手応えを口にする。今年は創部50年の節目。再出発となるシーズンは、熱血漢のもとで王座奪還を目指す。【神谷亮磨】

◆安部裕之(あべ・ひろゆき)1979年(昭54)7月25日、京都府生まれ。四日市中央工高から国士舘大を経て、02年にホンダFCに入団。現役時代はDF。11年間在籍し、リーグ戦243試合出場。08年にはJFLのベストイレブンに選ばれた。