鹿島アントラーズが12日、J2のV・ファーレン長崎と練習試合を行い、9日間の宮崎キャンプを打ち上げた。5日から遅れて合流したFWエヴェラウド、MFファン・アラーノが今季初めて練習試合に出場。45分2本、30分2本を行い、3-1で勝利した。

来日後、健康観察期間を経て5日から指揮を執ったザーゴ監督(51)は「前からの守備など、鹿島でやっていなかったことが宮崎でできた。若い選手がどういうタイプか見ることができたのは良かった。残り2週間で最終的な準備を進めていければ」と総括した。

今季のJ1は20チームで戦い4チームが降格する。降格がなかった昨季以上に、守りを固めるチームが増えることが予想される。勝利するには、ゴール前を固める相手をどう崩すかが課題になってくる。昨季は、ボールを保持し、ゴール前までボールを運ぶことができたが、ゴール前での崩しやラストパスの精度に課題が残った。逆に、攻撃エリアでのパスのズレからカウンターを浴び、失点する場面も見られた。指揮官は「おそらく、去年以上に守備的にやるチームが増える予測をしている」とし、この日の練習試合でも「相手の背後を狙う」「縦パスを狙う」ことをテーマに取り組んだ。ザーゴ監督は「今日は練習試合なので。無理なところでも(縦に)入れるところをやった場面がある。トライできたことは良かった」と振り返った。

メンバーは昨季から大半が残り、各選手が「去年からの積み上げが相当あるので。去年いた選手の中ではやることがはっきりしている」と手応えを口にしている。ザーゴ監督はキャンプ期間を通し「チームとしてやろうとしていることは表れている」とし「去年からやっていることに加えて、攻守すべてで確認しながら調整できれば」と開幕までの準備を見据えた。

ブラジル帰国中に新型コロナウイルスの陽性判定となったMFレオ・シルバは2日に来日しているが、17日にチームに合流予定。新外国人のMFカイキ、ピトゥカは来日のめどが立っていない。開幕は外国人選手がそろわない状況だが、指揮官は「僕の指導法は、1、2人の選手に頼るのではなく、グループ全体で同じ指導をし、チームとしてやるべきことを理解した上でやるやり方。この2週間で最終的な仕上げをして、いい開幕を迎えられれば。そこから合流してくる選手がチームの手助けという意味で質をもたらしてチームを強くすることが出来れば」と見据える。昨季の積み重ねを武器に、開幕ダッシュし、タイトルを狙いに行く。