川崎フロンターレが、クラブ初のリーグ戦開幕3連勝を飾った。中3日の連戦で、MF三笘ら強烈な前線3枚を含む先発6人を入れ替えた。それでも、直近4試合5得点の“仙台キラー”FW小林が「メンバーを替えた試合で絶対に勝ち点3を落としちゃいけない」と2得点し、FW遠野も抜てきに応え初先発初ゴールを決めた。

4季連続でタイトルを獲得し、昨季は12連勝を記録したが、毎年スタートダッシュには失敗。例年以上の連戦が予想された今季は違う。2月のキャンプでほぼ毎日2部練習を行うなど、ハードに追い込んだ。前線からの守備でボールを奪い、テンポよくパスをつなぐサッカーは、選手が替わってもブレることはない。鬼木監督は「普段の練習から全員が十分ピッチに立てるパフォーマンスをしていて、自信を持って送り出せた」と胸を張った。

10年前の東日本大震災による中断明け最初のリーグ戦では、仙台に逆転負けした。あのときのコーチは指揮官となり、「(今日も)いろんな雰囲気にのまれてもおかしくないゲームだった。チームも1歩1歩進んでいる」と10年での成長を実感している。川崎Fにとっても、またひとつ忘れられない試合ができた。

○…仙台対川崎F戦は「復興応援試合」として行われた。両チームは11年4月、東日本大震災によるリーグ戦中断明け初戦で対戦。等々力に仙台を迎えた川崎Fは、被災地へのメッセージVTRを作成したり、会場全体で仙台のチャント(応援歌)を歌ったりと、被災地激励の思いを試合に乗せた。新型コロナ対策でアウェー席が設置されない中、この日は仙台のサポーター席に川崎Fの横断幕が掲げられた。10年前の返礼VTRも放映され、試合前には両クラブが合同で記念撮影を行い、震災の犠牲者に黙とうをささげた。また11日から、両クラブによるチャリティーオークションを開催することも発表された。