鹿島アントラーズの19歳MF荒木遼太郎が、広島戦で開幕から3戦連発となる今季4点目を挙げた。

0-1の後半24分にFWエヴェラウドの縦パスを絶妙なトラップで収め右足を振り抜いた。10代の開幕3試合以上連発は94年の城彰二(市原)以来、史上2人目の快挙となった。今季から柳沢敦氏、興梠慎三(現浦和)ら歴代のエースが背負った背番号「13」を付ける。さらにゴールへの意識が高まった令和の「13」が、柳沢氏が持つクラブ最多の開幕4戦連続弾を超えることを誓った。

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19歳の勢いが止まらない。0-1で迎えた後半24分。荒木が、守りを固める広島ゴールに襲いかかった。狭いエリアをMF土居、FWエヴェラウドとパスがつながれる。ゴール前に走り込むと、絶妙なトラップからシュートを打ちネットを揺らした。オフサイドの有無はVAR判定に委ねられたが、判定はゴール。荒木は「先ほど映像を見たら後ろの選手が残っていた。自分からは全然、見えていなかったのでオフサイドかなと思ってました」と苦笑した。

プロ2年目の今季から背番号「13」を背負う。クラブスタッフから「この番号にして頑張って」と提示され「去年から気持ちの部分で変えたい」と、偉大な先輩の番号を受け継ぐことを決めた。荒木は「今年は2年目で、プレー中も周りが見えて少しずつ余裕が持て、気持ちもうまく整理できている。去年以上にゴールを意識するようにしている」。いい意味で「13」のプレッシャーを感じながら、開幕から3戦連続で4発と波に乗る。

開幕前は今季の目標を「5ゴール5アシスト」と掲げていたが、第4節で4得点。上方修正については「まだ5点目を取っていないので。それを取ってから考えます」と冷静だ。

10代での開幕3試合連続弾は、94年に18歳だった市原FW城彰二(開幕4試合連続)以来、27年ぶり2人目。鹿島での開幕3戦連発弾は08年のFWマルキーニョス以来、13年ぶり4人目で、柳沢氏が持つ開幕4試合連続のクラブ記録まであと1つと迫った。荒木は「その記録を塗り替えていけるようにしたい」と、偉大な先輩超えを誓った。【岩田千代巳】

▼記録メモ 鹿島の19歳MF荒木が開幕3試合連続ゴール。10代で開幕3試合以上連発は94年に18歳だった市原FW城彰二(開幕4試合連続)以来、27年ぶり2人目の快記録となった。鹿島としても珍しく、08年のFWマルキーニョス以来13年ぶり4人目。クラブ最多は98年のFW柳沢敦で開幕4試合連続。

◆荒木遼太郎(あらき・りょうたろう) 2002年(平14)1月29日、熊本県生まれ。熊本ジュニアユースから東福岡高を経て20年、鹿島に加入。昨季は開幕戦で途中出場し、鹿島では内田篤人氏以来となる高卒新人の開幕デビューとなった。昨季は26試合2得点。今季は3試合4得点とキャリアハイ更新中。世代別代表にも常に選ばれている。170センチ、60キロ。