鹿島アントラーズの大卒1年目のDF常本佳吾(22)が、“古巣”に成長した姿を見せることを誓った。チームは現在3連勝中で、15日にホームで3位の横浜F・マリノスを迎え撃つ。 常本は小学時代から横浜の下部組織でプレーし、横浜ユースから明大を経て今季から鹿島に加入。現在、6試合連続で右サイドバックで先発を務め、1対1の強さを発揮している。サッカー選手として育った横浜との対戦に「スタッフの中にも知っている方がいる。自分の成長を、違う形ですけど見せたいなと思います」と意欲を見せた。

相馬監督が就任後、守備陣形がコンパクトになり、ボールを奪われても複数人が連動し、激しい球際ですぐに奪い返す鹿島らしい戦い方を見せている。前節名古屋グランパス戦は相手のシュートを0に抑え、3戦連続無失点と守備が安定。常本も、相馬新体制での守備に「(ボールを)失った瞬間のスピードはすごく変わったという印象を持っている。失った瞬間からではなく、失いそうな時から、選手全員、意識できていてセカンドボールも拾えている。奪い返してすぐ、攻撃に移れる」と分析する。

リーグ戦で名古屋MFマテウスら、トップレベルの選手と対峙(たいじ)し、1対1で戦えていることが自信につながっている。横浜にはFW前田、オナイウ阿道ら日本代表経験のあるスピードのある選手がそろうが「どのチームも左サイドの選手は強力。そこのマッチアップを純粋に楽しめている」と対戦を心待ちにする。

守備で存在感を発揮している一方で、攻撃面を課題に挙げる。鹿島の最終ラインはDF町田、犬飼、左サイドバックのDF杉岡が直近の2試合で得点している。常本は「自分はまだ、アシストをつけられていない状況。そこはこだわってやっていきたい」と積極的に得点に絡む意欲を口にした。鹿島はリーグ戦に限れば、ホームで8年連続で横浜に勝利している。常本のデュエルの強さで、9年連続の勝利に導く覚悟だ。