岩瀬健監督の解任を受け、暫定的にJ2大宮アルディージャの指揮を執ることになった同クラブ・トータルアドバイザーの佐々木則夫氏(63)が27日、オンラインで会見に臨んだ。

数年先も見据えてチームづくりを行ってきた岩瀬前監督に対し、佐々木氏は現時点で2勝5分け8敗の勝ち点11で20位に沈む現実を踏まえ「現実的なサッカーをやっていかなければならない。引き分けはいらない、絶対勝つんだと、選手にはしっかり伝えてピッチに送り出したい」。横パス、バックパスではなく「前へ」という意識を植え付け、球際で戦える選手を起用していくという。

佐々木氏はなでしこジャパンを11年W杯ドイツ大会優勝、12年ロンドン五輪銀メダルに導いた。「なでしこで1戦1戦負けることができない環境の中で戦ってきた。相手が身体能力のあるドイツ、アメリカという状況で、相手も自分たちも分析しながら、どうやれば勝てるかやってきた」という佐々木氏。「選手たちには『オレに任せれば勝ち点を取れるような戦い方をさせるから』と言っている。それを何とか有言実行したい」と、次戦29日のジェフユナイテッド千葉戦へ意気込んだ。

佐々木氏は選手たちとの壁をなくすため、なでしこジャパンの時と同様に「監督」ではなく「ノリさん」と呼ばせているという。ただ唯一の気掛かりが、おやじギャグに対する選手たちの反応だ。「年齢の差があるからね。さっき食堂で、みんながブリの定食を食べていたので『久しブリにブリを食べようかな』って言ったら、選手たちは『クスッ』ぐらいでした」と苦笑い。それでもより選手たちに溶け込むため、今後もおやじギャグを連発するつもりだという。