25日のリーグ戦6度目の“横浜ダービー”は、2-2の引き分けに終わった。最下位の横浜FCが、退場者を出して10人となった2位の横浜F・マリノス相手に、後半44分の同点劇を見せつけた。会場のニッパツ三ツ沢球技場には4957人の観客が訪れ、ダービーの熱気に酔いしれた。

実は、6回目にして初の引き分けだった。過去5度の対戦は、F・マリノスの3勝2敗。29年間J1で戦い続けるF・マリノスが勝ち越してはいるものの、5試合全て、ホームチームの勝利という結果に終わっていた。

その歴史が、ついに動いた。数的不利のF・マリノスが「敵地で負けなかった」という見方もできるし、最下位の横浜FCが「上位相手に意地をみせた」という見方もできる。ただ両指揮官の試合後の話を聞くと、マスカット監督は「フラストレーションがたまる内容になった」、早川監督は「現実問題この結果では満足できない」と、どちらも悔しさをあらわにしていた。

両チームあわせて6枚のイエローカードが飛び交い、球際は激しく、退場者も出るなど熱い試合だった。Jリーグも29年目を迎え、各地で繰り広げられる“ダービー”の歴史もますます深まっていく。世界中が熱狂するバルセロナとレアル・マドリードの“エル・クラシコ”は、100年近い歴史をもつ。Jリーグのダービーも、末永く続いていってほしいと思う。【杉山理紗】