J2ジュビロ磐田は2-1でFC町田ゼルビアを下し、3試合ぶりに首位に立った。

元日本代表MF遠藤は前半11分に先制点をアシスト。ダイレクトで出した浮き球のパスは全てが完璧だった。

遠藤はハーフライン付近でパスを受ける直前に一瞬だけ顔を上げ、ルキアンの動きを確認した。「ボールをもらうときにルキアンとの意思統一ができていた。裏にスペースがあるのは分かっていたので、タイミングよく出せた」。相手DFの背後と、GKが飛び出せない絶妙な位置にバックスピンをかけたボールを落とした。フリーで抜け出したルキアンは余裕を持ってループシュート。遠藤の技術の高さが凝縮されたパスだった。

アシストする直前には自陣の深い位置まで下がり、DFラインに入ってパス回しに参加。相手がマークしづらいポジションを取りながら、チャンスをうかがい、相手の陣形が崩れた瞬間にボールを受けてアシストにつなげた。パスを出すまでの過程も見事だった。

ゲームの流れを読み、ワンプレーで局面を変える。41歳のベテランだが、技術は全く衰えていない。今季も残り10試合で首位に立った。目標のJ1昇格ははっきりと視界に入ってきている。遠藤は「今日みたいにしっかり勝ち切れるチームになってくれば、先は大きく見えてくる」。試合後の言葉も頼もしかった。【神谷亮磨】