横浜FCは徳島ヴォルティスを5-3で破って2連勝で最下位を脱した。残留争いが白熱するなか、大きな勝ち点3をつかんだ。

試合終了の笛が鳴ると、いつも険しい表情の横浜FC早川監督でさえ、笑顔をみせた。「まだまだ厳しい現状ですけど、(降格圏脱出へ)背中が見えていることも明らか」。J1でのクラブ最多記録5得点で暫定ながら、最下位脱出。直近3試合は2勝1分けで、残留圏の徳島まで、勝ち点4差に迫った。

負ければ、残留できる16位との勝ち点差が7に開いていたが、踏ん張った。MF松尾は「チームとしての勢いが、大量得点に結びついた」。その言葉を実証。前半9分に、ペナルティーエリア外の左からミドルシュートで先制した。点の取り合いとなり、2-1の同51分には、FWサウロ・ミネイロがこの日2点目をマーク。ブラジル出身のストライカーは得点後、ベンチ外だったレジェンドの代名詞、カズダンスのような小刻みなステップで喜びを爆発させた。3-3の後半23分には、途中出場のDF高木がプロ初得点。「自分でも覚えていない」という華麗な1発は、ペナルティーエリア外の左からゴール右上へ突き刺す強烈ミドルだった。

レジェンドたちには、この結果が見えていたようだった。54歳のFWカズは、少し前に、最近のチームを「サッカーの、本質的な戦う姿勢は見えてきている」と表現していた。43歳の元日本代表MF中村も「ここ数試合で戦い方は見えてきた」と話していた。幅広い年齢層のチームが目標へ向けて1つとなっている。23日の次節は17位湘南と再び残留争いの直接対決。早川監督は「ポジティブに捉え、残り6戦を全力でいきたい」。ここから“逆転残留”を現実にしてみせる。【栗田尚樹】