監督も通訳も涙-。浦和リカルド・ロドリゲス監督(47)が19日、オンライン取材に対応した。チームは現在6位。20日にホームで、2位横浜を迎える。ロドリゲス監督は引退するMF阿部勇樹、退団するDF槙野、MF宇賀神を思い、涙を浮かべた。通訳も感極まって、言葉を詰まらせた。

一問一答は、以下の通り。

-MF阿部が引退、DF槙野、MF宇賀神が退団。

ロドリゲス監督 彼らにすごく愛情を感じている。クラブとしても、監督としても、非常に難しい決断だった。人間として、彼らにすごく愛情を感じているが、プロとしての決断を下さざるを得なかった。彼らは長い時間、全てを出し切ってくれた。チームに喜びを与えてくれた。必要な時にいてくれた。1日に長い時間を過ごし、仲間なので非常に大きな愛情を感じている。常に選手たちをサポートしたいと思っているが、逆に彼らがサポートしてくれた。難しい決断だった。彼らのチームへの貢献は残る。1カ月後に阿部が天皇杯のカップを掲げた姿を想像しながら、この1カ月を戦っていきたい。少し感情的になってすみませんでした。

-リーダーがいなくなる。

ロドリゲス監督 私の心配している点でもある。素晴らしいキャリア、素晴らしいリーダーシップを持っている人たちが去ることになる。他の選手がその役割を担わないといけない。それが今いる選手なのか、新しく加入してくる選手なのか。リーダーというのは、ピッチ内の監督。本来は全員がリーダーという気持ちでやらないといけないが、勝者のメンタリティーを持っている人が、その役割を担えると思う。ベテランだから担えるというわけではない。

-シーズンも大詰め。監督は何を思う。

ロドリゲス監督 彼らとは本当にいい関係を築けている。朝、練習の時、スパイクを履くとき、槙野がいて、宇賀神が現れて話をしてというのが毎日。阿部は静かなんですけど。試合日、私はグラウンドでランニングもするんですけど、メンバー外である阿部が近づいてきて『試合頑張って、勝って』という声をかけてくれます。みんなに出来ることではありません。スペインではないことですし、彼の人間力です。

-(DF槙野、MF宇賀神らの退団は)非常に大きなメッセージだと思う。ファンにとっても、残る選手に対しても大きなメッセージ。1年、浦和でやって来て、より大きな変化をもたらさないといけないと思う。その辺について、どう考えているか。

ロドリゲス監督 サッカーには永遠はない。世界中どこにでもある。引退、退団のタイミングは来る。残りの1カ月が重要。リーグ戦3試合、天皇杯で可能性を残している。全ての大会が最後の1カ月で決まる。3人の状況をモチベーションとして、ACL出場を決めたい。一方で私が来た当初から、年齢の高いチームと感じていた。徐々に世代交代をしないといけないと感じていた。未来の浦和をつくらないといけないと感じていた。できる限り、良い判断を下しながら進めていきたい。