J2横浜FCのMF中村俊輔(43)が、カズの情熱を引き継ぎ1シーズンでのJ1復帰を誓った。54歳のレジェンドがJFL鈴鹿ポイントゲッターズに期限付き移籍で抜ける中、今季はチーム最年長となった。20日、オンライン取材でカズへの熱い思いを口にした。

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中村は9日のチーム始動前から自主トレを開始。午前8時ごろにクラブハウスに来ると、既にカズがトレーニングに励んでいることもあった。発表前にして鈴鹿へ行く意思を伝えられ、「俊らしいプレーで頑張れよ」と声もかけられた。カズと交わした「また一緒にやれたらいいですね」の言葉はどこまでも本気だ。

ランニングで常に先頭を走っていた男はいない。「単純にさびしい」。それでも脳裏にカズの姿は焼き付いている。パスが少しでもずれれば「ごめん!」と大声で謝る。目の前で見てきた高いプロ意識、練習への熱量は、中村も意識しているという。「残してくれたもの。大事にしたい」。

背番号は10から25に変更。プロ1年目やスコットランド1部セルティック時代につけた番号だ。「10番をつけてベンチじゃだめでしょ」。冗談めかして笑ったが、初心に帰るという思いがあると口にした。

J2は加入した19年以来、開幕から戦うのは初めて。「(降格は)40歳を過ぎて初めての経験。もう1回J1に、そして定着できるチームに。それが支えてもらった人たちに対してできること」。戦う場所が変わっても、情熱は変わらない。【岡崎悠利】