東日本大震災から11年となる3月11日に“復興のシンボル”Jヴィレッジで熱戦が繰り広げられた。U-20全日本大学選抜が、青森山田出身のMF安斎颯馬(早大1年)のゴールなどで日本高校選抜を2-0で下した。高校選抜の東北勢はDFチェイス・アンリ(尚志3年)とMF藤森颯太(青森山田3年)が先発も、大会3戦目での初勝利はならなかった。

快晴のJヴィレッジで、U-20全日本大学選抜の安斎が躍動した。1-0の後半34分、左クロスから右足ワンタッチで追加点を流し込んだ。「去年は自分が高校選抜でデンソーカップに出場した。それから1年がたち、絶対に負けられないし、成長した姿をゴールという結果で見せられた」。早大では1年時から主力に定着し、関東大学1部リーグ19試合で6ゴール2アシストをマーク。新人賞を受賞した実力を示した。

高校選抜の右サイドにはなじみの顔がいた。青森山田で1学年後輩の藤森だ。「自分の中では嫌な選手だと感じましたし、縦の突破は相変わらず怖い」。ドリブルを持ち味にする藤森との対決を楽しんだ。

今大会が開催されたJヴィレッジはナショナルトレーニングセンターとして97年7月に開業した。しかし、東日本大震災、福島第1原発事故に伴い、施設の営業が中止。復興の対応拠点になり、天然芝部分にはアスファルトや砂利が敷かれ、駐車場、資材置き場、作業員らの仮設宿舎が建てられるなど、地面は緑色からグレーに変わった。18年7月に施設の一部が営業再開。震災から8年後の19年4月に全面営業を再開し、ピッチが広がる、かつての姿に戻った。

11年前、安斎は小学2年生だった。「地震の恐ろしさとかは、まだまだ理解できない年齢でした」。昨年は高校選抜の一員としてJヴィレッジでU-18日本代表と練習試合を行い、その際に仮設住宅など震災の被害が残る場所を巡ったという。「こうやって自分たちがサッカーをできるのは、当たり前じゃないとかみしめることができました。感謝の気持ちを忘れないではなく、持ち続けることをぶれずにやっていきたいです」と言葉に力を込めた。【山田愛斗】

<震災伝承館を見学>

3・11を前にして高校選抜のメンバーは、9日に震災伝承館を訪れたという。尚志(福島)の指揮官でもある仲村浩二監督(49)は「正直、普通の高校生ならすらっと見て終わりかもしれないですが、選手たちの意識の高さというか、福島が復興し、今はこういう状態というのを1時間以上かけて見学していました」。FW福田師王(しおう、神村学園2年)は「サッカーをできるのは当たり前じゃないので、毎日感謝しながら過ごしていきたいです」と話した。