ジュビロ磐田が後半ロスタイムのゴールでFC東京に2-1で逆転勝ちし、各組上位2チームのプレーオフステージ進出へ望みをつないだ。後半52分、MF鹿沼直生(24=静岡学園高出)が今季公式戦初得点。1次リーグ2勝目に貢献した。

最後に歓喜が待っていた。後半ロスタイム。磐田鹿沼が、左クロスから生まれた混戦のこぼれ球に左足を合わせた。「とにかく枠に入れようと思った」。丁寧に流し込んだシュートが、ネットを揺らす。笑顔で走りだすと、サポーターの前でもみくちゃにされた。

待望の今季公式戦初ゴールが、チームを勝利に導く劇的な決勝点となった。「(ゴール後は)人が集まり過ぎてきつかったけど、チームが苦しい時に勝ちにつながる得点を決められて良かった」。会見でも満面の笑みを浮かべた。

予感が的中した。後半17分。布陣変更に伴い、CBからボランチへポジションを変えた。同23分には途中出場のFWファビアン・ゴンザレス(29)が同点弾。雰囲気が変わった。鹿沼は「流れ的に『イケイケ』だった。自分がゴール前に入っていけばチャンスになると思った」。冷静な状況判断でチームを救った。

負ければ1次リーグ敗退が決まる一戦で、勝ち点3を獲得。順位は3位のままだが、来月18日のアウェー湘南戦に勝てばプレーオフ進出が決まる。鹿沼は「今日も自分の背後を突かれて、うまくいかない感覚もあった。攻守でもっと精度を上げていかないといけない」と、課題も忘れなかった。【前田和哉】