大けがを乗り越えた加入2年目の点取り屋が、完全復活を果たす。

千葉・市原3次キャンプ中のJ2モンテディオ山形は9日、パス練習などで汗を流した。昨年5月の試合で左膝前十字靭帯(じんたい)損傷及び内側半月板損傷の重傷を負った、FW藤本佳希(29)は1月末に全体練習に合流。18日の甲府との開幕戦(JITリサイクルインクスタジアム)に向けて「もう1ギア、2ギア上げていきたい」と力を込めた。

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エースストライカーが状態を上げてきている。藤本は開幕戦まで10日を切った、この日の練習でも大けがの影響を感じさせず、軽快にメニューを消化。コンディションは「去年の今の時期よりもいい」と手応えを示し、試合出場にも不安はない。

開幕スタメンに向けて、実戦でアピールする。「練習試合がまだあるので、できるということを示していけたらいいと思う」と貪欲にゴールを狙う。90分間プレーできるかについては「今日の段階ではいけるかまだ分からないんですけど、ここから開幕に向けて、いろいろ段階を踏んでやっている最中なので、うまくいけばぐらいしか今は言えない」。焦らずに調整を進める。

昨季は加入1年目でFWの軸を担った。開幕戦は途中出場も、第2節から先発に定着。第4節で移籍後初ゴールを決めてから3試合連続弾を記録した。大けがにより約30試合を欠場したが、そこまでの15試合で7得点。決定力の高さを証明した。

藤本は昨季10ゴールでチーム得点王のMFチアゴ・アウベス(26)、同9ゴールのFWデラトーレ(30)らと強力攻撃陣を形成し、J2で猛威を振るう。今季の目標は「優勝です」と力強く宣言。「FWなのでゴールに関わるプレーをしたい。得点、アシスト、チームが勝つために、すべてにおいてできれば」と意気込む。愛媛時代の21年にマークした10得点が自己最多。本領を発揮して過去の自分を上回れば、J2優勝とJ1昇格が、ぐっと近づく。【山田愛斗】