2連勝中の鹿島アントラーズは、3連勝を狙い、3日にアウェーでコンサドーレ札幌と対戦する。

エースFW鈴木優磨(27)は現在、3戦連発中。鹿島の岩政大樹監督(41)が2日、取材に応じ、鈴木起用の「最適解」にたどり着くまでの過程を明かした。

連敗をストップした4月23日のアルビレックス新潟戦から、布陣を4-3-3から、4-4-2へ変更し、鈴木を1トップではなく、FW垣田裕暉(25)との2トップで起用した。

昨季前半戦は、日本代表FW上田綺世(24=セルクル・ブルージュ)が在籍しており、鈴木と上田の2トップで得点を量産した。しかし、昨夏に上田がベルギーへ移籍した。

岩政監督は「いろいろな副作用がチームにあった。綺世(上田)がいなくなった時に、優磨(鈴木)をどのように使うか、すごく難しい。綺世の代わりを置くのか、違う枠組みで優磨を使うか、いろいろ試行錯誤してきた」。

開幕前のキャンプでは鈴木を1・5列目に置く布陣も試した。だが、しっくりこない。開幕戦は1トップに置き、開幕の京都サンガ戦は勝利したが、その後、具体的な絵を探そうとしても、うまくつながらなかったという。

きっかけは新潟戦の前だった。岩政監督は「その前から周囲が、鈴木優磨を外せ、と騒ぎ始めて。すごく難しい選択を迫られていた。どのように、優磨を組み込むか」。鈴木が試合中に見ている景色を想像した。その中で、岩政監督の頭に浮かんだのが、垣田との2トップで、2列目にハードワークができるMF仲間隼斗を配置することだった。

岩政監督は「優磨の周りを走り回っている選手がいるときに、プレーしやすくなるのではないかと今の起用を思いついた。それが今、うまくはまっていると思う」。

元日本代表監督の故・オシムさんが常々、ハードワークする選手を「水を運ぶ人」と重宝していたことを挙げ「チームの中でドンと構えてプレーすることで機能する選手と、その周りを走ったりカバーすることで機能する選手をどのようなバランスで置くか。今の最適解が見つかってるような気がする」と明かした。

鈴木の起用の最適解を見つけたことで、チームは2連勝。前節のガンバ大阪戦では、ペナルティーエリア内に侵入しての崩しもあり、チームも今季最多の4発と快勝した。

次は、中3日で迎える札幌戦。岩政監督は「中3日の2戦目、それほど疲労が残るはずがないと思っているのでそんなに(メンバーを)大きく変えるつもりはない」と話し「札幌は、得点も失点も多い楽しいサッカーをしている。僕たちも今やろうとしていることを貫けるか、試されるような相手」と見据えている。攻撃的な札幌に勝ち、新生・鹿島へ向け、地盤を固める覚悟だ。