総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントが9月1日、宮城県松島フットボールセンターほかで開幕する。エントリー書類の未達により、一時は大会不参加とされた決定が29日に覆り、2年連続9回目の出場が決まった北海道教大岩見沢は、1日の1回戦で鹿屋体大(鹿児島)と対戦する。心機一転、初のベスト4進出に向かう。
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上空は曇り、霧雨にも見舞われたが、出発前日の30日に岩見沢のピッチを駆け回る北海道教大岩見沢イレブンの心は、雲ひとつない青空だった。DF田中光太主将(4年)は「いつも応援してくださる人、そして(一時不参加決定で)心配してくださった方もいらっしゃると思いますので、そうした皆さまに、活躍している姿を見せたい」と、晴れやかな表情で言った。
気が気じゃない9日間だった。8月21日の全日本大学サッカー連盟(JUFA、以下学連)の理事会が、大会参加申込書の到達遅れによる、同校の大会不参加を決定。イレブンはその決定を、練習後にグラウンドで聞いた。「本当なのかウソなのか、信じ難かった。『(出場を)信じて練習をしよう』と話しはしましたが、雰囲気が良くなくなってしまう状況は正直ありました」と、田中主将は振り返る。
日に日に情勢は悪い方に傾き、28日には「不参加決定」の文字が、学連のホームページなどに並んだ。7月23日の道代表決定戦では、札幌大を相手に後半途中から延長戦までを10人で戦い、PK戦を勝ち抜いた。厳しい戦いを制した先にあるはずだった“全国出場”は、風前のともしびに思えた。
29日の昼すぎに一転、日本サッカー協会(JFA)の不服申立委員会の裁定で大会出場が決定。安部久貴監督(44)から全部員に、朗報が伝えられた。札幌U-18出身の田中主将は「自分も含め、全国大会でJリーグやJFLの関係者にアピールしたい4年生が3人います。出場できないとなると、気持ち的に難しかったはず」と胸をなで下ろした。
昨年は2勝し、過去最高タイの8強まで進出した。「去年より良い成績を残すのはもちろん、日本一を目指してプレーしたい」(田中主将)。頂点を見据え、まずは1日の鹿屋体大戦に挑む。【中島洋尚】
<出場決定までの経緯>
◆6月28日 全日本大学連盟(以下学連)が各地域の大学連盟事務局、各地域選出の理事にエントリーフォーマット(総理大臣杯ほか4大会共通)を案内。各チームへ展開
◆7月20日 学連が同24日の組み合わせ抽選の案内と参加申し込み締め切りについて送信
◆同23日 北海道地区代表決定戦で北海道教大岩見沢(以下岩教)が札幌大に勝利し、出場権獲得
◆同25日午後2時ごろ 岩教が岩見沢市内の郵便局から速達で書類を発送
◆同26日午後6時 参加申し込み期限。学連に書類届かず
◆同27日夕方 岩教からの書類が学連に到着
◆同28日 学連から岩教に到着遅れを報告
◆8月19日 学連が北海道学連選出の理事(岩教スタッフ)に定例理事会の事前案内。岩教の不参加が議題と通達。岩教側の弁解などを求めるも、回答なし
◆同21日 学連の定例理事会で岩教の不参加が決定
◆同23日 学連から岩教に書面で正式通知
◆同24日 岩教が日本協会不服申立委員会(以下JFA)に不服申し立て
◆同28日 学連が岩教の不参加決定を発表
◆同29日 JFAが学連の決定無効を通知。学連が岩教の出場を認める
◆北海道教大岩見沢の総理大臣杯 最高成績は2度の8強。初出場の11年に1回戦で高知大を2-0で下し初勝利を挙げ、ベスト8に進出。15年は環太平洋大をPK戦で退け、1回戦突破を果たした。昨年は1回戦で九州共立大をPK戦で下し、2回戦で福岡大を3-1で撃破。準々決勝で国士舘大に0-2で敗れたが、11年ぶりの8強入りだった。



