ヴィッセル神戸は17日、メディア公開練習を行った。阪神・淡路大震災から29年となったこの日は、練習に先立って選手・スタッフが円になって黙とうを行った。

兵庫出身で、神戸の下部組織育ちのDF山川哲史(26)は「神戸にとって特別な日。悲しいことではあったけど、強いパワーでここまで立ち上がってきた。夢や希望、感動を与えられるのが僕たちの仕事だと思うので、普段サッカーができていることに感謝して、多くの人にパワーを与えられるような存在でありたいと思っています」。

下部組織所属時には、三宮駅近くの東遊園地で行われる「追悼のつどい」に出向き、震災発生時間に黙とうを経験。「普段にぎわっている場所が、何も聞こえないような静かな空間になった。考えさせられる時間になりました」。その雰囲気を今もはっきりと覚えており、プレーで勇気を与えることの原動力にもなっている。

そんな山川にとって、昨季はレギュラーとして優勝に貢献する大きな1年になった。今季は、昨季負傷離脱していたDF菊池流帆(27)が戻り、下部組織の先輩でもあるDF岩波拓也(29)も加わって競争激化が予想されるが、山川は「それはポジティブに捉えている」と頼もしい。続けて「去年やって、やれるなっていう自信はついたけど、普段の練習からの競争が自分の成長につながると思っている。楽しみだし、けがなくスタメンで出場し続けられるように頑張っていきたい」と意気込んだ。

昨季まで背番号23だった山川は今季、4番に変更してシーズンに挑む。長く神戸の最終ラインを支えたDF北本久仁衛(現コーチ)や、元ベルギー代表DFトーマス・フェルマーレンらが過去につけた番号には、強い思いがあった。

「神戸の4番は特別な番号。僕が中学生、高校生の頃は、北本コーチがつけていて、憧れの番号だった。次につける番号は絶対に4番以外はないと思っていたので、すごくうれしい」

クラブから番号変更の話を受けた際には、家族よりも先に北本コーチに連絡をしたという。「直接会ってご報告させてもらって『テツシやったら任せられるな』と言ってくれたので、その言葉に感謝して戦いたいと思います」。神戸のレジェンドが背負ってきた番号で戦う山川は、手にした自信をより深めるシーズンにするために戦い続ける。【永田淳】