横浜F・マリノスがアウェーでアルアイン(UAE)に1-5と力負けし、2戦合計3-6で初優勝を逃した。前半早々に2失点する劣勢の中、同40分にFWヤン・マテウスが1点を返したが終了間際にGKポープ・ウィリアムが退場。防戦一方となり、後半は失点を重ねた。優勝賞金は400万ドル(約6億2000万円)。20大会ぶり2度目の優勝を飾ったアルアインは、4年に1度の新規大会となるクラブW杯(来年6~7月、米国)への出場権を獲得した。

   ◇   ◇   ◇

中東の笛? VARの時代にそんなものは存在しない。完敗だった。

前半8分、アルアインの鮮やかな連係プレーから崩され、失点を喫した。この1点が打ち合いへの合図だった。2戦合計2-2のタイ。ここから残り90分以上も時間がある中、どちらがゴールを重ねられるかの力比べ。アタッキング・フットボールを掲げる横浜はハイラインを取り前へ出る。もろ刃の剣。アルアインの圧力にボールロストし、カウンターを食らう悪循環に陥った。ポープが決定機阻止で一発レッドとなったことも含め、力負けだった。

キューウェル監督は「レフェリーによって試合を壊された」と憤ったが、裏を返せば行き場のない悔しさから出た言葉か。喜田、松原、宮市からは「僕たちの力不足」と繰り返された。第1戦を1点差で落とした後、敵将のクレスポ監督が不敵に口にした「ホームに戻ればまったく別の結果になる」。サッカー界の地殻変動と呼ばれる中東のプライドが詰まっていた。

ロナウド、ネイマール、ベンゼマ…。サウジアラビアは政府系ファンドを活用し、多くのスター選手を招いた。そのACLの中心にいたアルイテハド、アルヒラルを撃破してきたアルアインの勢いは本物だった。喜田は「ここまでの歩みを否定してはいけない」。毎カードで退場者を出しながら死闘を制して勝ち上がった。初優勝はならなかったが、横浜が残した足跡は称賛されるべきものだった。【佐藤隆志】