ヴィッセル神戸が横浜F・マリノスを下し、暫定2位に浮上した。
昨季リーグMVPのMF武藤嘉紀(33)が、試合を決めた。前半37分、右サイドを突破したMFエリキがグラウンダーのラストパスを入れると、ニアサイドでFW宮代大聖がスルー。横浜DFに当たって少しコースが変わったものの、ゴール前でフリーになった武藤が右足でゴール左に決めた。
この場面で、武藤は宮代に「スルー!」と声をかけて、アピール。これを受けた宮代が「(状況を)認知もしていたけど、声出すぐらいフリーなのか」と聞き入れてフィニッシュを譲ったことで歓喜の場面が生まれた。
武藤は今季、腰椎椎間孔狭窄(きょうさく)で約4カ月離脱。手術も受けたことで長期間の不在となった。それでも本来の武藤と言えるまでのパフォーマンスを披露。スピードや体のキレで相手を翻弄(ほんろう)する場面も多い動きは、吉田孝行監督からも「コンディションは100%になっていると思うし、何よりよっち(武藤)が点を取ることでチームも乗ってくる。今日は素晴らしかった。脅威になるパワー、スピード、フィジカルを存分に出してくれていた」と絶賛された。
復帰からしばらくは「怖さがあった」と、抑え気味のプレーになっていた認識もあったという。しかし、勝利をもたらす仕事ができたことで、意識が変わった。「今日のゴールで脳のストッパーみたいなのが外れたような気もするし、気持ちも楽になったし、自信もついた」。心身ともに万全と言えるまでに戻ってきたのは、神戸にとって心強い限りだ。「残り9試合、全勝する気持ちで。目の前の試合に100%で臨んだ結果、最後に素晴らしい景色を見たい」。神戸を連覇に導いたアタッカーに満足はない。3連覇を成し遂げるまで、全力で走り続ける覚悟を語った。【永田淳】



