Jリーグがタイ・プレミアリーグと業務提携に向けた交渉を始めたことが16日、分かった。大東和美チェアマン(63)と中野幸夫専務理事(56)がこの日、バンコクでタイリーグの幹部らと提携へ向けた話し合いを持った。Jは今年からアジア戦略を積極的に展開することを決めており、タイリーグとのタイアップはその第1弾で、将来的には選手や指導者のアジア進出の突破口になる。

 中野専務理事は「タイでのトヨタプレミアカップに昨年からJクラブが参加していることもあり、今後タイリーグとの関係をより緊密なものにしていきたい。両リーグで業務提携を結ぶことになる可能性もある」。すでにJは東南アジア各国にJリーグの映像を無償提供し、放送できるシステムを作った。今後さらに市場拡大を目指す方針だ。

 同リーグとの提携でJリーガーの選択肢も増える。現在Jリーガーの海外進出は、代表クラスの欧州移籍が注目されるが、タイリーグには2部も含め約20人の日本人選手がプレーしており、元Jリーガーも多数いる。年俸1000万円の選手もいるため、Jで実績のある中堅クラス選手の選択幅も広がる。

 中野専務理事は「アジアの各リーグと関係を築くことは、Jリーガーのセカンドキャリアにも役立つ」。Jリーグの指揮が執れるS級ライセンスを取得しても国内では活躍の場のない元Jリーガーは多い。リーグ間でタイと関係が深まれば、日本の指導者を求めることも考えられる。まだ手探り状態だが、世界最多の約39億人市場はJに無限大の可能性をもたらしそうだ。