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 クラブW杯:チェルシー3-1モンテレイ>◇準決勝◇13日◇横浜

 優勝候補筆頭の欧州王者チェルシー(イングランド)が、モンテレイ(メキシコ)を相手に圧勝発進した。持ち味の華麗なパス回しから、前半17分にMFマタが先制ゴール。後半開始直後には悩めるエース、フェルナンドトレスがゴールを決めた。チェルシーはその後も1点を追加して、16日の南米王者コリンチャンス(ブラジル)との決勝へ、楽々とコマを進めた。

 これが世界一スペイン代表9番の実力だ。チェルシーFWフェルナンドトレスが、豪快な今大会初ゴールを決めた。1-0とリードした後半開始直後。高速ドリブルで左サイドを抜けたMFアザールからのクロスを受け、思い切り左足を振り抜いた。

 シュートはゴールの左ポストぎりぎりに飛んだが、DFに当たってそのまま吸い込まれた。「初めて日本に来たけど、ゴールを決めた時、ファンが名前を呼んでくれた」と同FWも感激の大歓声が、スタジアムを包み込んだ。

 チェルシーはその後、マタの右クロスが相手のオウンゴールとなり3点をリード。後半ロスタイムに失点したものの、横綱相撲で決勝進出を果たした。フェルナンドトレスは、ここ3戦で5点目。その直前まで、代表戦も含めて13試合1得点だったが、リバプール時代の恩師でもあるベニテス暫定監督が「チャンスさえ作ればヤツは決めてくれる」と信頼して起用し、復活した。

 試合開始まではチェルシーにも不安要素がなかったわけではない。来日直後から時差ぼけに悩まされ、ベニテス暫定監督が「今はとにかく寝ることに集中している。でもなかなかできないんだ」ともらしたほど。プライベートの時間にコーヒーを買いに行くだけで人だかりができ、プレミアリーグとの環境の違いに戸惑う選手もいた。

 さらに今大会から導入されたゴールラインテクノロジーが思わぬ感覚のズレを生んだ。来日後にボールを蹴ったイレブンは口々に「ボールが硬すぎる」と口をそろえた。内部にはマイクロチップが埋め込まれており「ちょっと重い」という声も聞かれた。ベニテス暫定監督も「普通、新しいボールを使う場合は、もっと前から練習をさせてくれるものだが」と首をかしげた。しかしそんな不安要素は実力で吹き飛ばした。

 決勝では南米王者コリンチャンスと戦う。相手にはブラジルからかけつけた熱狂的サポーターの後押しがある。それでも輝きを取り戻したフェルナンドトレスは「厳しい試合になると思うが、日曜日には英国から来てくれたファン、そして日本のファン、みんなで喜びたい」と、チェルシーの初優勝を誓った。【千葉修宏】