「バズ」が地球を、いや山形を救う。J2山形は28日、第1次キャンプ地の静岡・裾野市内で8対8のミニゲームを行い、明大から加入したMF宮阪政樹(22)が攻守で積極的なプレーを披露。映画「トイ・ストーリー」シリーズに登場するキャラクター「バズ・ライトイヤー」に顔が似ているという理由で、DF石井秀典(26)から「バズ」の愛称を授かった新人が、開幕スタメンへ猛アピールした。

 バズが中盤の底で敵の侵入を防ぎまくった。宮阪はこの日午前に組まれたミニゲームに、主にボランチとして出場。ルーキーながら、これまでプロで戦ってきた先輩にも当たり負けせず、守備力の高さを証明してみせた。「まだ入ったばかりなんでチームに完全には慣れていない。でも、しっかりアピールできたと思う」と手応えをつかんでいた。

 攻撃面でも遠慮はなかった。ゴールまで少々距離があろうが、チャンスとみればレーザービームのような鋭いロングシュートを連発。プロ初ゴールも、そう遠くないことを感じさせた。「キックも自分の武器だと思っているので、狙えるときは狙っていきたい」。攻守で持ち味を発揮している。奥野監督も「受け入れる側の選手も彼をしっかり理解しようとしているし、彼も力を十分に出そうとしている。素晴らしいこと」と感心していた。

 そんな宮阪も、大学の先輩の“命令”には逆らえなかった。22日に行われた「キックオフイベント」では、サポーターの前で「できれば名前で呼んでほしいです」とお願いした。だが、明大の先輩にあたるDF石井が名付けた「バズ」が独り歩き。練習中もボールを持てば、四方八方から「バズ」とパスをせがまれていた。「もうみんなにバズって呼ばれてるんで、しょうがないです」と苦笑するしかなかった。映画「トイ・ストーリー」の「バズ・ライトイヤー」は、スペースレンジャーとして悪から地球を救う戦士。本家ばりの働きで山形をJ1へ昇格させる。【湯浅知彦】

 ◆宮阪政樹(みやさか・まさき)1989年(平元)7月15日生まれ。東京・練馬区出身。田柄二小3年から「田柄サッカークラブ」でサッカーを始める。中学、高校はFC東京U-15、U-18に所属。その後、明大に進学。今季からJ2山形に新加入。ポジションはボランチ。家族は母、姉。右利き。168センチ、68キロ。血液型B。