サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会が20日開幕する。

横浜市のアラビア料理専門店「アル・アイン」では日本在住30年のオーナーシェフ、ジアード・カラムさん(51)が「中東で初めての本大会、とってもうれしい」と待望のW杯初日を喜んだ。開催を機に、カタール国をもっと知ってもらいたいと「カタールの街中でよく食べられているメニューを作ってみたね」と腕をふるってくれた。【寺沢卓】

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カラムさんは1970年、レバノン・ベイルートで生まれた。国立調理師学校を卒業し、92年に在日クウェート大使館の大使付きシェフとして来日した。

95年に日本人女性と結婚し、妻の出身地の横浜市で店を構えることになった。現在もクウェートだけではなく、中東地区の要人が来日した際には来賓への食事の責任者として駆り出される。もちろんカタール大使館からも声が掛かり、カタール料理にも精通しているアラビア料理の達人だ。

日本で30年を過ごしたカラムさんは「日本人にとってカタールは、ドーハの悲劇の国、というのが一番に出て、話題の中心になってしまう。(料理人としては)いろんな料理もあることを伝えたいんだ」と語る。

カタールはアラビア湾に突出した海の幸に恵まれた中東の近代都市。「30年前は砂漠だけ(笑い)。今は地下鉄も高速道路も日本の技術で素晴らしいものができている」と話し、W杯開幕を祝うなら「羊の丸焼きとか大きなエビのグリルとか、マダイもスズキをじっくり焼くのもいいね」とカタールで好まれるレシピを教えてくれた。

「でもね、カタールの家庭料理はヘルシーでおいしいの。これ食べていって」とまず出てきたのはヒヨコ豆のペーストにガーリックレモンオイルを垂らした「ホンモス」。アラビアパンのホブズに挟んで食べるが「日本でいうならポテサラ(ポテトサラダ)かな。どんな料理に付け合わせてもぴったり」とカラムさん。

メーンにはカタール風のラム肉と一緒に炊き込むピラフ「カプサ」。そしてホブズにソラマメのコロッケ、トマト、レタスを詰め込んだカタール風バーガー「ファラーフェル」。カラムさんは「これなら歩きながら片手で食べられる。今どきのドーハの街中だったらファストフードで人気あるね」と解説してくれた。

そしてデザートには中東独特のデーツ(ナツメヤシのスイーツ)。アーモンドやクルミの実をくるませて、カルダモンやサフランなどの数種のハーブの入ったアラビアンコーヒーといただく。最後にカラムさんは「このカタールW杯を機会に食べにきてください。開催国カタールも応援してね。そして、日本代表にとってカタールが歓喜の国なることを祈っています」と笑顔を見せた。