国際サッカー連盟(FIFA)は1日、ワールドカップ(W杯)カタール大会でオフサイドの判定を補助する最新技術を導入すると発表した。映像や人工知能(AI)を用いたもので、前回ロシア大会で採用したビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)とともに、判定の精度とスピードをさらに上げることを目指す。

新技術は全会場に設置する12個の専用カメラで、ボールや選手の手足の動きを1秒間に50回も追尾する。そこへボールに埋め込んだセンサーが蹴られた瞬間を検知。収集したデータを組み合わせた上でAIを用い、選手がオフサイドの位置でボールを受けた場合は映像担当の審判員に自動的に通知される仕組みとなっている。

映像による解析は数秒以内で行われる。最終的に主審へと伝えられる。また、会場の大型スクリーンやテレビ画面上に立体アニメーションでその場面を再現し、オフサイドであることを観衆や視聴者にも証明するという。

この新システムはW杯カタール大会のテスト大会を兼ねた昨年のアラブ・カップやクラブW杯で試験導入され、成果を収めているという。

FIFA審判委員会のピエルルイジ・コッリーナ委員長は「オフサイドをチェックする際のプロセスに時間がかかりすぎていた。ここを半自動化されたオフサイド・テクノロジーを持ち込むことで、より迅速で正確な意思決定が可能になる」と自信のほどを語った。