元日本代表主将でブンデスリーガのアイントラハト・フランクフルトMF長谷部誠(40)が24日、都内で現役引退会見を行い、指導者としての第2の人生計画を明かした。まずは同クラブのU-21チームのコーチとしてスタートし、いずれはドイツでライセンスを取得して日本人初の欧州5大リーグ監督を目指す。W杯出場や、欧州での指揮経験を持つ日本代表監督の誕生にも期待が高まる。

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23年間の現役生活に別れを告げた長谷部は、すがすがしかった。「後悔はない」と言い切った。まだ体は動き、来季も現役でいる体力も残している。その中での幕引きは「第2の人生」からの逆算だった。数カ月の休養を経て、EフランクフルトのU-21チームのコーチとして、指導者生活をスタートさせる。長谷部は「U-21のコーチになればボールを蹴れるし、その中では自分が一番、いい選手なので(笑い)。彼らに見せてプレーを教えることが出来る」と思いをはせた。

目指すは「トップチームの監督」と明言した。2年前にドイツで上から4番目の指導者ライセンス「B+」を取得。「A」「A+」を経て、日本でのS級に相当する資格の扉が開く。最短でも5年はかかるが、「自分の中では最短は意識していない」と強調。「長く選手をやった選手がいい指導者になるとは限らない。これからライセンスを取るにも、もっとドイツ語は勉強しないと」と1歩ずつ進む構えだ。

同世代のレーバークーゼンのシャビ・アロンソ監督(42)、ドイツ代表のナーゲルスマン監督(36)が結果を残しているが焦りはない。指導者の「いろは」を学ぶ人脈も築いており「ブンデスで対戦した監督が『いつでも研修においで』と言ってくれる。そういうつながりも出来た。多くの監督のやり方を学んでいきたい」と日本人初の5大リーグ監督への道筋を描いた。

日本サッカー界が期待するのは「日本代表監督」だ。欧州を知り尽くし、W杯に出場した経験豊富な人材は、日本が50年までに掲げる「W杯優勝」に欠かせない。本人は「僕は1つ1つ、目の前の目標をクリアしてここまで来られた。まずは指導者の道で経験を積んで。将来的に高いレベルでやれる監督になりたい」と話すにとどめるも「高いレベルで指導者経験を積んだ先に何か(日本に)還元できればいい」と、日本サッカーへの貢献を誓う。

交流が深く、ポルトガルで57歳で現役を続けているFWカズの元に出向き、引退を報告した。「カズさんには一番言いづらかった」と笑い「いつか、僕が監督、カズさんが選手で一緒にやる機会を楽しみにしています」と夢プランも掲げていた。【岩田千代巳】

◆長谷部誠(はせべ・まこと)1984年(昭59)1月18日生まれ、静岡・藤枝市出身。藤枝東から、02年浦和に入団。07年に浦和でアジア・チャンピオンズリーグ制覇。08年1月からドイツのウォルフスブルクに移籍。08-09年にリーグ優勝。13年夏にニュルンベルク、14年夏にEフランクフルトへ。22年にEL優勝。ブンデスリーガでアジア選手歴代最多の通算384試合に出場。日本代表は06年に初選出。国際Aマッチは114試合2得点で、主将として81試合出場は歴代最多。W杯は10年、14年、18年と3度出場。16年7月にモデルの佐藤ありさと結婚し1女1男。180センチ、72キロ。