20年東京オリンピックで初採用される柔道の男女混合団体戦でルールを巡る騒動が起きた。日本は初戦の準々決勝で、韓国と対戦。男女3人ずつの計6人で争い、3勝3敗と並んだが、指導3つによる反則勝ちを含む一本勝ちが「3対2」と多い日本が準決勝進出となった。

しかし、この結果に納得がいかない韓国選手6人がぼうぜんと立ち尽くし、審判団へ猛抗議。結局、判定は覆らず、1度は整列したが、日本選手が畳を下りた後も、畳の上で約10分間座り込むなど抗議した。韓国がルールの解釈を誤ったことが原因とみられ、韓国の安昌林は「勝ったと思っていた」と話した。

今年、改正された国際柔道連盟(IJF)の新ルールでは、指導3つによる反則負けは全て「一本」扱いとなる。昨年までは指導差による優勢勝ちが存在したが、現ルールでは廃止されている。新ルールでの団体戦が、今大会がほぼ初めてだったこともあり、混乱に拍車をかけた。

日本は準決勝で中国、決勝でカザフスタンを4-0で下し、初代王者に就いた。日本男子の井上康生監督は「われわれもしっかりとルールを把握し、準備しないといけないと改めて感じた」と語った。

◆柔道の混合団体 男子は73キロ以下、90キロ以下、90キロ超、女子は57キロ以下、70キロ以下、70キロ超の計6選手で構成。4分間で決着がつかない場合はゴールデンスコア(GS)方式の延長戦を行い、引き分けはない。アジア大会では勝利数が並んだ場合、一本勝ちや指導3による反則勝ちは10点、優勢勝ちは1点とポイント化して比較。それでも勝者が決まらない場合は、無作為に選ばれた階級区分の選手によるGS方式の代表戦を行う。