日本勢初のメダルに「60%、70%」の自信を示した。

陸上の男子走り高跳びで2メートル35の日本記録を持つ戸辺直人(27=JAL)が2日、欧州遠征から帰国。27日に開幕する世界選手権(ドーハ)でメダルを獲得する自信を問われると、「確率的には60%、70%と思いたい。世界選手権本番で(2メートル)30以上、35以上を跳んだら、優勝をできてしまう。そこを目指したい」。過去に日本勢は五輪、世界選手権を通じ、この種目でメダルはない。ただ、今の走り高跳び界は「カオス。混戦状態」と実力が張り合っている。チャンスは多くの人にある。もちろんの世界ランキング1位の戸辺も、その有力候補。「その日、調子がいい状態が作れれば、きっと取れるのではないか」と言った。

調子を上げるための残り1カ月は「技術的にしっかり作り直すこと」に重点を置く。踏み切りまでの3歩で、重心が上がらないようにする意識を強める。

世界選手権の舞台となるドーハのスタジアムで注意すべきは「気温差」とする。ウオーミングアップを行うスタジアム外は暑さが厳しいが、スタジアムに入ると空調が効いており「20度くらい気温が違う」という。その適応を重要なポイントに置く。ウオーミングアップは半袖で行うが、スタジアムでは体が冷えないように「ウインドブレーカーでもいい」と長袖を準備するなどの対応策を施す予定。同じ会場だった4月にアジア選手権の経験を生かす。

先月18日のダイヤモンドリーグ第11戦の試技前に左かかとを打撲していた。痛みは消えていたが「恐る恐る」の跳躍だった先月29日のダイヤモンドリーグ年間上位選手が争うファイナルは、2メートル27で5位。優勝を狙っていただけに、悔しさもあったが、再発の恐怖心はぬぐい去れた。「それがなくなるだけでも30は跳べると思う」。今春に筑波大学院を卒業した理論派は、そう分析した。