全国連覇を狙う仙台育英の男女チーム(ともに宮城1位)が13年ぶり8度目のアベック優勝を飾った。県予選から出走メンバー7人全員を入れ替えた男子は2時間4分53秒で2年連続12度目、メンバー3人を入れ替えた女子は1時間10分4秒で3年ぶり15度目の優勝を決めた。ともに層の厚さを見せつけ、史上初となる都大路アベック2連覇に弾みをつけた。

誰が走っても結果は変わらない。女子の仙台育英は、昨年の都大路から県予選、東北大会と3大会連続の男女同時優勝の原動力となった。昨年の東北大会3区以来の駅伝になった5区高橋華瑠亜(2年)が学法石川(福島1位)を1分引き離してゴール。「育英としてゴールテープを切るのが夢だった。自分の殻も破れました」と区間賞の走りを振り返った。

1区門脇奈穂主将(3年)と2区ジェニファームワンデ(1年)も区間賞を獲得。3区長坂柊花と4区木村優香の1年生2人も、高校駅伝デビューで堂々の走りを披露した。残り2キロからスパートし、後続と6秒差でタスキをつないだ門脇主将は「層の厚さを示してチームを盛り上げたかった。プラン通りに走れました」と満足の表情。コロナ禍の影響で、新設コースで行った県予選は4区(3キロ)で個人設定タイムを切れずに涙した。しかしレース後、GPS(全地球測位システム)機能付きの腕時計をした選手たちからは「距離が長い」と指摘されていた。今回、チーム設定タイムもクリアした門脇主将は「力を証明できた」と女子最長6キロ区間で悔しさを晴らした。

長坂と木村もそれぞれ個人設定タイムをクリアした。釜石慶太監督(33)は「門脇が流れを作った。(レギュラーの)5人だけでなく緊張感が持てる内容になった」と手ごたえ。高橋は「今以上の力をつけて主力5人を脅かせる選手になりたい」と、チーム一丸で都大路に乗り込む。【佐々木雄高】