男子100メートルで、桐生祥秀(25=日本生命)が10秒18で優勝した。

5月末に右アキレス腱(けん)を痛めた影響で、東京オリンピック(五輪)は100メートルの代表入りを逃した。再出発のレースは今季の最終戦。しっかり優勝を飾った。

スタートラインに立てなかった東京五輪では世界の進化が浮き彫りになった。100メートル準決勝では中国の蘇炳添(31)が9秒83のアジア新を出すなど準決勝突破ラインは史上最高「9秒90」だった。

それを受け、目線は高くなった。「今までは9秒95を準決勝で出せば残ると話していた。だが、向かい風でも9秒台、追い風ならば9秒8台を出さないと決勝には立てない。今までのトレーニングを一度、ゼロにして変えていかないと勝負できない」。悔しさばかりだった2021年を糧に、大きく飛躍したい。