女子1500メートルで日本人初となる東京オリンピック(五輪)8位入賞を果たした田中希実(22=豊田自動織機)が、2年ぶりの2冠に輝いた。800メートル決勝で2位に入り、その75分後の5000メートルでは広中璃梨佳(日本郵政グループ)をラストスパートで突き放し、15分5秒61で優勝。参加標準記録を切った上で3位以内に入り、9日の1500メートルに続き世界選手権(7月15日開幕、米オレゴン州)に複数種目で内定。田中を含め9種目11人が内定。男子やり投げでは、ディーン元気(30=ミズノ)が10年ぶりの優勝を飾った。

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男子やり投げでディーンが81メートル02で優勝し、完全復活を印象づけた。世界選手権の参加標準記録(85メートル00)は突破できなかったが、ワールドランキングで出場圏内。今大会でポイントを稼ぎ、出場に大きく前進した。3投目が80メートルのラインを超えると、会場が沸いた。81メートル02の感触は「コメントできないくらい良かった」。日本一の称号は12年以来2度目だった。

大学生で出場した12年ロンドン五輪で10位に立ったが、その後は右脇腹の負傷などに苦しんだ。心身のリフレッシュを目的に、18年には半年間の休養。「そこで精神的にリセットできて19年くらいから迷いがなくなった」。年内で31歳になる。「若い頃はイケイケどんどんで怖いもの知らずだった。世界に向かって行くにはチャレンジャーの気持ちが大事」。生まれ変わり、再び世界に挑戦する。