昨年のインターハイで3位に入った陸上女子800メートルの鈴木結菜(新潟第一3年)が、全国大会の頂点に向かって最終関門に挑む。北信越高校総体陸上競技会は16日に石川・西部緑地公園陸上競技場で開幕。同大会の上位6人が8月のインターハイ(陸上=徳島)出場切符を手にする。5月の県高校総体ではケニア人留学生のローズメリー・ロックウオン(帝京長岡1年)に敗れて2位通過だっただけに、北信越はスッキリとした形でV通過するつもりだ。

154センチ、38キロのスリムな鈴木の全身にはスピードとスタミナと、向こう気の強さが詰まっている。「インターハイで優勝することをイメージしている」と北信越大会を前に、視線のその先は全国頂点を捉えていた。レースプランはピッチを刻んで粘り、「ラストの50メートルで勝負」。昨年の北信越女子800メートル決勝は250メートル付近で転倒しながら、レースを捨てずに5位通過した。あふれる闘志でインターハイ出場を決めたが、今回はトップ通過を狙う。

「きついけれど、終わったあとの達成感が好き」と鈴木は800メートルの魅力を話した。入学当初はジョギングについていけなかったが、大野純監督(33)は「スピードとバネがあった」と振り返る。スタミナを培ったのはオフシーズンに駅伝チームと繰り広げる長距離走。速さに、持久力が加わった。U20日本陸上選手権(9~12日=大阪)にエントリーしていたが、欠場届を提出。北信越には万全の形でと集中している。

競技前に行う個人的な“儀式”は1時間の睡眠だ。レース1時間半前には目覚めて準備を始めるが、レース前に眠れるほどの、ずぶとさを持っている。自己ベストは昨年のインターハイで3位に入った時の2分9秒18。今夏は2分7秒台のタイムを想定し、練習のピッチを上げてきた。「外国人留学生に勝ちたい」と北信越は県大会のリベンジの場ともなるが、モットーは「どんな時でも笑顔」。まずは北信越で最高の笑顔を見せるつもりだ。【涌井幹雄】

◆鈴木結菜(すずき・ゆいな)2004年(平16)6月1日、胎内市生まれ。黒川小ではバレーボールに打ち込み、陸上は中条中から始める。中3で全中800メートルに出場した。154センチ、38キロ。血液型AB。