中央大（中大）の吉居大和（3年）が花の2区を1時間6分22秒で走り切り、区間賞を獲得した。藤原正和監督が2区で区間賞を受賞した03年以来、20年ぶりに首位で3区にタスキをつないだ。
当日変更で2区初出走となった吉居大は、4位でタスキを受けると、上位3チームを抜いて先頭に立った。しかし、12キロ地点で駒澤大のエース・田沢廉（4年）に抜かれ、さらに14キロ過ぎでは、青山学院大・近藤幸太郎（4年）にも抜かれたが、ここから驚異の粘りを見せる。19キロ地点で近藤に並ぶと、残り100メートルでラストスパートをかけ、先頭の田沢をとらえた。トップでタスキを渡すと、右手を突き上げ、近藤とハグを交わした。
吉居大は「区間新ぐらいのタイムを狙おうという気持ちはあった。10キロ地点までは自分の予定していたペース通りというか、少し遅いぐらいだった。そのあと突っ込んだぶん苦しかった。近藤幸太郎くんにつかせてもらって、なんとか耐えることができた」と振り返る。
田沢に続いて近藤にも抜かれた時点で「これはまずいかなと思った」が、「そのあと幸太郎くんが『ついてこい』とジェスチャーをくれて必死についていった」と明かす。その後、上り坂を経て下り坂を過ぎたあたりから「思ったよりも体が戻ってきたというか、しっかり動き始めたので、残り3キロ頑張った」とうなずいた。
3年生エースの激走を受け、ツイッターでは感動の声が続出。特に近藤との抱擁に注目が集まり、「花の2区を受け継ぐ感じを感じて感動した」「涙腺崩壊しました」「ハグが激アツすぎた」「胸キュンした」などの投稿が寄せられている。
吉居大は前回大会で1区を担い、15年ぶりに区間新録を樹立。エースが集う2区でも、近藤に1秒差で競り勝ち、2年連続の区間賞を獲得した。4区では弟駿恭（1年）が出走を控えている。【奥岡幹浩】
