【復路展望】

史上5校目の学生駅伝3冠を狙う駒大と、2連覇がかかる青学大の一騎打ちとみられていた箱根路。往路を終え、その2強に割って入る形で中大が加わった。

首位の駒大は2位中大とは30秒差、3位青学大とは2分3秒差で3日の芦ノ湖での復路スタートを迎える。19年ぶりの往路優勝を果たした大八木弘明監督は「6、7、8区で確実につないで、9、10区で逃げ切りたい」と見通した。

復路も充実の戦力が光る。8区の花尾恭輔(3年)は出雲1区で区間2位、全日本では最終8区で区間賞を獲得。9区の山野力主将(4年)は出雲4区で区間2位、全日本3区で区間5位。さらに、出雲2区、全日本2区で区間新で走ったスーパールーキー佐藤圭汰(1年)も、補欠登録から当日のエントリー変更で出場するのは確実だ。

対する中大の藤原正和監督は「30秒なので明日につながった。往路は3年生以下で勝負をかけて、復路は4年生を中心にそろえたので。明日も自信を持って」と最上級生を軸にした逆転劇を思い描いた。6区の若林陽大(4年)は1年時から山下りを担当して、区間10位、5位、5位。4年連続の最後の山で前を追う。補欠から出雲2区、全日本1区でともに3位と好走した千守倫央(4年)も配置し、逆転の望みをつなぐ。27年ぶりの総合優勝で「古豪」脱却にかける仲間の思いを4年生がぶつける。

3位青学大の原晋監督は、2分以上の差に「可能性が0のタイム差ではない」「まだわからない。箱根駅伝は何が起こるかわからないので、最後まで諦めずにやっていくしかないですね」としながら、表情は厳しい。9区には岸本大紀(4年)の投入を明言した。箱根の勝ち方を知り尽くす指揮官だけに、タイム差の現実に慎重な言葉が続いた。

4位の国学院大以下は逆転の可能性は低い。盤石の駒大に中大が競ってけん制し合う中で、青学大が食い込む状況が生まれるかどうか。6、7区と、後続が駒大をどれだけ脅かせるかが鍵になる。