<スーパー陸上2009>◇23日◇女子100メートル◇川崎市等々力競技場

 女子100メートルで日本記録保持者の福島千里(21=北海道ハイテクAC)が、大健闘の2位に食い込んだ。隣のレーンは、世界選手権200メートル3連覇のフェリックス(米国)。得意のスタートが決まり、50メートル付近までは左を走るフェリックスの前を先行した。最後はかわされたものの、「だれよりも反応良くスタートできればいいと思っていた。ちょっとでも1番になれたので良かった」と笑顔を振りまいた。

 日本女子短距離のエースが、世界に認められた証しだった。レース後は、フェリックスから歩み寄り、笑顔で抱き合って健闘をたたえ合った。「アリソン(フェリックス)選手と最後に抱き合えてうれしかった」。その言葉通り、福島にとってフェリックスは雲の上の存在。だが、フェリックスは少しだけ本気になっていた。「彼女(福島)が強いのは分かっていた。最後にかわせればと思っていた」と、その存在を意識していたことを明かした。

 向かい風0・8メートルで11秒42。大会主催者によれば向かい風で出した日本人最高タイムで、また成長のあとを示した。次戦は10月の国体(200メートル)になる。「北海道の代表として出るのは1つしかないので、楽しんで走りたい」。世界女王と戦った後も、北海道のことは忘れていなかった。