全日本高校バレーボール選手権(通称・春高バレー、埼玉・さいたまスーパーアリーナほか)が1月5日に開幕する。男子で全国高校総体8強のとわの森三愛(北海道)は、6日の2回戦で鳥取商(鳥取)と習志野(千葉)の勝者と対戦。今夏から3年生中心に続けてきた筋力トレーニングの成果を見せ、悲願の4強入りを目指す。

 とわの森三愛高に隣接する酪農学園大のトレーニングセンターには、夜7時過ぎになると、身長180センチを越えるバレーボール部員たちが集まってくる。「自主的に残って筋トレを続けているようです。帰る時に頑張っている姿を見るとうれしいですね」と、とわの森三愛の山田和弘監督(55)は目を細める。

 きっかけは、夏の高校総体だった。優勝した星城(愛知)に、準々決勝でストレート負けを喫した。「完全にパワー負け」と、大江航太主将(3年)は振り返る。またカナダと日本のハーフで、センターのトイード・ケーシー卓(3年)は会場ですれ違った東福岡(福岡)の選手たちの姿を見て「いい筋肉してるなと思った」という。

 大会後にトイードが「筋肉あった方が、かっこよくない?」と声をかけると、3年生と1年生の一部が賛同。夜の“合同筋トレ”が始まった。3時間の全体練習を終えると、週3、4回の割合で大学のジムに直行し、約1時間汗を流す。半年間でトイードは40キロ以下だったベンチプレスが60キロまでアップ。大江主将は授業で使うインボディという体力測定器で、「筋肉型」というカテゴリーから、最上級の「アスリート型」にランクを上げた。左右に動き回るリベロの山本智大(3年)は、75キロのダンベルを持ちながらのスクワット10回5セットで下半身を強化。大学NO・1の日体大への進学を勝ち取った。

 初戦は、鳥取商と習志野の勝者。習志野とは夏の総体で8強をかけて対戦し、フルセットで下しているが、力は互角だ。山田監督は「相手は雪辱を期してくるし、厳しい戦いになります。ブロックでうまく相手の攻撃を止めたい」と話す。「筋トレでスパイクも強くなった。目標はベスト4」と大江主将。ムキムキの肉体から放たれる強烈スパイクで、「筋」字塔を打ち立てる。