20年東京五輪のバレーボール女子日本代表有力候補となる宮部藍梨(18)が1日、神戸市内のホテルで行われた神戸親和女大の入学式に出席した。2月にオーダーメードしたというスーツに身を包み「今までは制服だった。ちょっと苦しいです。メークも濃かったかな」と愛嬌(あいきょう)たっぷりの笑み。学部生480人の一員として、大学生活の第1歩を踏み出した。

 ナイジェリア人の父を持つ身長182センチの宮部は、大阪・金蘭会高2年の春に日本代表へ初選出され、夏のワールドGPイタリア戦で代表デビューするなど注目されてきた。Vプレミアリーグの複数が興味を示す中で「企業に入る選択肢もあったけれど、自分としては英語の勉強もしたい気持ちがあった。将来は海外でバレーをしたいので、実践的に使える英語を身につけて、バレーにつながるツールにしたい」と、文学部総合文化学科への進学を決めた。

 同大学の女子バレーボール部は昨年の全日本大学選手権で5位と躍進。とはいえ、関東勢と比べて全国的に知名度が高いわけではなかった。同大学関係者も「全ての競技を通じて、うちの大学で(世代別などではなくトップの)日本代表は初めて」と説明する。

 女子日本代表は中田久美新監督(51)が指揮を執り、3月23日にはメンバー27人が発表された。そこに宮部の名は無かったが「やるからには文武両道で上を目指してやる。ジュニアやアンダーの(日本代表)カテゴリーで目に留めてもらえる機会を作れるように頑張りたい」とキッパリ。16年リオデジャネイロ五輪代表12人のうち、大卒は東北福祉大出身の佐藤あり紗(日立)だけ。女子では珍しいルートを進み、日本代表でのプレーを目指す。