バスケットボールの男子日本代表が、フリオ・ラマス新監督(53=アルゼンチン)就任後2戦目で、初白星を挙げた。世界ランク48位の日本は、同26位のウルグアイに前日は69-79と敗れたが、この日は72-57と快勝した。

 ラマス監督は、日本人と体格の似る母国アルゼンチンチームを12年ロンドン五輪4強に導いた名将。新生日本で思い描くのはパスを素早く回す攻撃、終始プレッシャーをかけ続ける激しい守備、と日本人らしさを生かしたスタイルだ。

 29日の試合では、序盤にリードを許しミスで思うようなバスケットが出来なかったが、この日は前半から攻守ともに積極的な動きでリード。35-31で迎えた第3クオーターでは、富樫勇樹(24)、比江島慎(26)らの3点シュートなどでさらに引き離し、勝利を引き寄せた。

 白髪で、選手から漫画「スラムダンク」の安西監督に似ていると言われるラマス監督は、試合後にファンに向かって「ありがとうございます」と日本語であいさつ。笑いが起こった後で、「これからは日本語を話した時に笑わないで下さい」と話すなど、おちゃめな面をのぞかせた。

 男子代表は74年モントリオール大会以来、五輪から遠ざかる。20年東京五輪での開催国枠は確約されておらず、44年ぶりの五輪出場に向け、まず自力で予選突破する力を付けることが求められている。この日24歳の誕生日を迎えた司令塔の富樫は「五輪まであと3年は多いようで少ない」と焦りを口にした。その上で「ラマス監督からは、日本人の礼儀正しさ、40分間やり続ける力は世界で最も優れていると言われている。やり続ければ、いいことが起きると信じている」と、チームのレベルアップを見据えた。