9月29日〜10月1日に行なわれるF1第15戦マレーシアGPで、現在スーパーフォーミュラ参戦中のピエール・ガスリー(フランス)がF1デビューを果たすことになった。ダニール・クビアトに代わってトロロッソのシートに収まる。

 レッドブルの育成プログラムに所属するガスリーは、昨年F1直下のGP2(現FAI F2)でチャンピオンとなった。しかしレッドブル系チームに空席がなく、今季はレッドブルのテスト&リザーブドライバーを務める傍ら日本の最上位カテゴリーであるスーパーフォーミュラに参戦し、6戦を終えて2勝を挙げ0・5ポイント差でランキング2位に付けている。

 先週末に菅生でスーパーフォーミュラのレースに出場し月曜日にマレーシアへ移動したガスリーは、飛行機から降りたところで第一報を受け、興奮のあまり眠れなかったという。

 「月曜にここに着いたら『乗ることになるかもしれない』というメールが来ていて、ものすごく興奮して夜はなかなか眠ることができなかったよ。火曜日の朝に正式に決まって、僕にとっては夢が叶ったわけだし、本当にアメイジングな気分だよ。この数年間、このために様々なことに耐えながらずっと努力してきたんだ。できるだけ集中し、できるだけ速く学びたいと思っている」。

 ガスリーはフォースインディアで走るエステバン・オコンと6歳の時から幼なじみで、当初はサッカーをしていたガスリーにカートをすすめたのはオコンの両親。それ以来ガスリーはカートを始め、2人はともにレースをして育ってきた間柄だ。

 「僕らは一緒にカートをやってきた仲だしお互いのことは良く知っている。彼は昨年メルセデスAMGの支援を受けてF1デビューし、僕はレッドブル育成でもうしばらく待たなければならなかったけど、彼にとっては素晴らしいチャンスだと思ったし自分のキャリアを比べようとは思わなかった。今後のドライブ予定がどうなるかはまだ何も聞かされていないけど、今はとにかく目の前のレースに集中して全力を尽くしたいと思っているよ」。

 カーナンバーは10を使用。2014年に小林可夢偉が使用していた番号だが、2年間出走がないため使用権が宙に浮いたかたちになっていた。(米家峰起通信員)