ショートプログラム4位発進の紀平梨花(15=関大KFSC)が、シニアも含めて女子史上初の大技を決めた。

 冒頭でトリプルアクセル(3回転半)と3回転トーループの連続ジャンプを決め、出来栄え点で1・86点(最高3点)を加えた。これまでも国内大会で成功していたが、国際スケート連盟公認大会では初成功。「ちゃんと入っているか(回転不足などがなく成功しているか)不安だったけれど、加点もたくさんついてすごくうれしかった」と笑顔を見せた。

 冒頭の大技成功後は、2本目のトリプルアクセルに挑んだが、こちらは空中でほどけてしまった。1つのプログラムで2本の成功は持ち越しとなったが、フリー125・63点の合計192・45点をマークし4位となった。

 紀平は16年9月に女子世界7人目となるトリプルアクセルに成功。それでも「コツをつかむのも遅かった」と昨季終了までは不安定なジャンプだった。オフに繰り返し練習することで自信は付き「跳べるイメージがついた。今は80%ぐらい(自信が)ある」と言い切る。新たな歴史を刻んだが、トリプルアクセルの先駆者である浅田真央さんに向けては「もっとプレッシャーがあったと思う。自分がやってきたから分かるけれど、試合で跳ぶのは本当に難しい。まだまだ遠い存在です」と敬意を示した。

 次の大舞台は21日開幕の全日本選手権(東京)となる。紀平は18年平昌五輪の年齢規定に誕生日が2週間届かず、22年北京五輪を目指す世代になる。シニアの実力者と競う数少ないチャンスに向けて「(トリプルアクセルの)2本目が(空中で抜ける)パンクして悔しい。学んだことを全日本選手権で生かしたい」。中学3年の成長株は、止まることなく高みを目指す。

 ◆紀平梨花(きひら・りか)2002年(平14)7月21日、兵庫・西宮市生まれ。姉の影響で5歳からフィギュアを始める。15年全日本ノービス選手権では3回転5種7本を決め、ノービスA優勝。ジュニア1年目の昨季は全日本ジュニア選手権11位。今季は日本人選手で唯一、ジュニアGPファイナルへの進出を決めていた。50メートル走7秒8。趣味は映画、音楽鑑賞。153センチ。